【糸島・福吉】人と自然に優しい暮らしのものが揃う、糸島農産物の素材の味が楽しめるカフェ「お菓子と暮らしのもの りた」

【糸島・福吉】人と自然に優しい暮らしのものが揃う、糸島農産物の素材の味が楽しめるカフェ「お菓子と暮らしのもの りた」

糸島市はコンパクトなまちですが、海や山など場所によって多種多様な顔を持ち、魅力もさまざま。

糸島市の西部、佐賀県唐津市に近い地域「福吉」。山に囲まれ田畑が豊かなこの地域に、農薬や化学肥料に頼らない有機農法を行う「わかまつ農園」さんが営むカフェ「お菓子と暮らしのもの りた」さんはあります。

2024年12月1日に、お店の場所を移転、新たに宿(ゲストハウス)もオープンされ、福吉の人が集まる人気のスポットとなっています。

今回は、そんな「りた」さんのお店と宿を紹介します。

糸島で採れた新鮮な食材を楽しめるカフェ、そして田畑と山の美しさを存分に感じられる宿

福吉駅から徒歩3分。田畑と山を目の前に望む癒し空間。

「わかまつ農園」さんが営む「お菓子と暮らしのもの りた」さんは、JR筑肥線の福吉駅から徒歩3分の静かな住宅街にあります。目の前には、山々に囲まれた田畑が広がり、糸島の農の営みを感じられます。

駐車場はお店の横に4台のスペースがあり、さらに近くの第2駐車場に12台のスペースがあります。

2024年12月1日に現在の場所にお店を移し、新たに「りたの宿」(ゲストハウス)もオープンしました。

ガラス張りの扉を開けると、そこにはゆったりとした空間が広がっています。

テーブル席とカウンター、さらにテラス席も用意されています。窓が多いため外からの光が入り込み、穏やかな空間を感じることができます。

訪問した時期がクリスマス前だったこともあり、店内には、クリスマスツリーが飾られていました。

 

おすすめの「チョイスセット」をご紹介

筆者は移転前のお店(カフェ)に何度か行ったことがあるのですが、ランチのオススメは、なんといっても「チョイスセット 1,556円(税込)」です!5種の中から選べるハーフピザにドリンクが付き、さらに10種のメニューから2種のデザートが選べます。選択肢が多く、どれも美味しそうで迷ってしまいます。どれにしようか迷う時間もまた、楽しみのひとつでもあります。

というわけで、今回も「チョイスセット」を注文!数あるメニューの中から、今回選んだのはこの4品になります。

〈チョイスセットで選んだ内容〉

・阿蘇自然豚の生ソーセージピザ

・オリーブの葉茶(Hot)

・焼きポテト(塩)

・白いクリームの糸島いちごロールケーキ

こちらのピザ生地は有機全粒粉で作られており、天然酵母を利用して発酵しています。全粒粉は普通の小麦粉と比べて栄養価が高く、香ばしさも出やすくなるのだそう。

トッピングの野菜とソーセージは、塩のみの味付けで素材の味が活かされ、口の中が幸せいっぱいになります。

オリーブの葉茶は、「わかまつ農園」さんで農薬・化学肥料不使用で栽培されたオリーブの葉が使われています。新鮮な香りと色が特徴的で、スッキリとした味わいでとても美味しくいただきました。

デザートのロールケーキは、糸島産のいちごが使用されています。生地はもっちりとしており、中のイチゴクリームはツブツブ感とシャキッと感があり、風味と食感が存分に味わえます。ロールケーキはテイクアウトも可能で、以下の4種類があります。

◆オリーブリーフロールケーキ
◆つぶつぶ糸島いちごロールケース
◆コーヒーロールケーキ
◆白いクリームの糸島いちごロールケーキ

「りた」で提供される料理やお菓子は、ご自身の農園(「わかまつ農園」さん)の野菜に加え、糸島市内で採れた野菜や果物が使われています。“そのまま食べるのが1番美味しい”と語るのは、店主の奥さんである若松由加利(わかまつ ゆかり)さん。元々の素材の味が美味しいので、それを生かすためになるべくシンプルな味付けにしているのだそうです。

「季節の農園ピザ」は「わかまつ農園」さんで採れた旬のお野菜が楽しめます。

 

自然に寄り添う「暮らしのもの」

店主である若松潤哉(わかまつ じゅんや)さんは、2013年に東京からご家族とともに移住されてきました。2011年の震災を経験して抱いた世の中に対する危機感や、東京での多くのエネルギーを消費する生活への違和感が膨らみ、地域で自らが生産をし、手が届く範囲で生活が継続できれば、と考えるようになったのだそうです。

「自立可能なまちづくり」ということをテーマに、まずは糸島の休閑地で農業を始め、「循環」を意識した有機栽培で甘夏やぶどうといった果樹、そしてピーマンやトマト、ナスといった夏野菜などを栽培されています。

「地域で完結したい」という思いから、「わかまつ農園」では近くの牛舎から出た牛糞や糸島の海でとれた牡蠣殻など自然由来のものを肥料として使い、化学肥料や農薬は一切使用していません。

農業だけでなく、衣食住すべてが地域で完結する生活を目指し、食べ物だけでなく様々な「暮らしのもの」の生産・販売をされています。

●農香ばぁむ(保湿クリーム)1,738円(税込)

農園で採れた日向夏をご自身で蒸留し精油にして作ったバーム。食べられる素材で作られており、唇や髪の他全身に使うことができるバームです。

●甘夏みかん洗剤300ml 2,068円(税込)

農園で採れた甘夏と植物由来の成分からできた爽やかな香りの洗剤。防腐剤の使用を避けるために原液で販売。水で20倍にして使用します。自然由来で安心というだけでなく、より抗菌が強く、手荒れしにくいという嬉しい洗剤です。

●食べる黒豆茶 842円(税込)

お店で人気ナンバーワンの商品がこちら、「食べる」黒豆茶です。お手軽さを重視して作られた商品だそうで、コップに直接豆を10粒ほど入れてお湯を注ぐだけでお茶が完成します。またコップの底に残った黒豆はそのまま食べることができます。

●日本みつばちの生はちみつ 2,700円(税込)

古来より日本に生息する在来種のミツバチである、日本みつばちによって作られた100%生のはちみつ。熱を加えていないため、凝縮した濃厚な味わいを楽しめます。

 

新たにオープンした「りたの宿」

さて、ここからは2024年12月に新たにオープンした「りたの宿」さんについてご紹介をします。

先ほどご紹介したカフェスペースの奥にある、すのこ状の扉の向こう側が「りたの宿」になります。

扉の向こうで靴を脱ぎ、2階へと続く階段を上ったところに宿泊スペースがあります。

お部屋は、男女混合ドミトリー(定員10名)、女性専用ドミトリー(定員10名)、そしてプライベートルーム(和室1室)の3タイプがあります。

各ドミトリーには区切られた2段ベッドが並び、鍵付きの荷物入れロッカーがあります。

ベッドは幅がゆったりめに作られており、ハンガーも用意されています。

また、家族や友人同士で宿泊する場合は、仕切り板を外して1つの部屋として広く使うこともできます。

女性専用ドミトリーには、お部屋の中に2台の洗面台が設置されており、ゆったりと身支度ができる心づかいが。

廊下にはトイレ、そして洗濯スペース(洗濯機+乾燥機)もあります。

プライベートルームの和室の窓からは、深い緑の山々を望むことができます。

落ち着いたダークブラウンの木を基調とした内装は、ホッとするようなぬくもりを感じました。また、おひとりさまでもグループでもゆったりとくつろげる、そんなお部屋でした。

 

糸島という地域で作る未来。若松さんの想いとは?

ここまで、カフェ、販売されている商品、宿のご紹介をしましたが、「りた」の店主であり農家である若松潤哉さんは一体どのような思いで農園、そしてお店や宿を営んでいるのでしょうか?

糸島に限らず、地域にはさまざまな課題があります。そんな課題に立ち向かっていくためのひとつのモデルケースをここ福吉から作り発信したいという若松さん。

宿泊はカフェよりも訪問者の滞在時間が長く、訪れた人とより深くコミュニケーションを取ることができ、糸島を知らない人にも知ってもらえる、また来たいと思ってもらえたり「りた」での地域としての取組みに関心を持ってもらえることが嬉しいことのひとつだそうです。

そして「りた」を通した取組みへの思いを感じてもらい、それが「地域で完結すること」とは何か?といったようなことを考えたり、生活の中での環境への向き合い方や、世の中の課題のようなものに気付く“きっかけ”になればという願いがあるのだそう。

カフェや宿を通して、地域で完結できる新たな仕組みづくりを目指す若松さんは「何もしない限り何も生まれない」と、お店を中心として様々な新しいことにチャレンジをされています。

循環やつながりを大切にした農業と、それを軸にした飲食業、そしてより広く発信していくための宿泊業。若松さんの挑戦はこれからもどんどんと広がり、それに共感する仲間が増えていく未来がすぐそこに見えているような気がしました。

 

糸島の食と景色を堪能し、「地域で暮らすこと」に触れてみませんか?

糸島の食材の素材の味を楽しめるカフェで、環境と身体に優しい食事や商品を楽しむのもあり、宿に泊まり、山々に囲まれ自然とつながる時間を楽しむのもあり。糸島にお越しの際はちょっと西の方まで足を延ばし、「福吉」エリアにある「りた」で過ごしてみるのはいかがでしょう?

「りた」の最新情報は公式インスタグラムでも発信されています。イベントの開催や出店などもされていますので、ぜひチェックしてみてください!

また、「りた」の商品が気になったけど、すぐにお店には行けないという方には、オンラインショップ「たべるとくらすと」もおすすめです。

INFORMATION

店名:

お菓子と暮らしのもの りた・りたの宿

住所:

福岡県糸島市福吉5丁目21-15

電話番号:

092-326-6101

営業時間:

10:00〜16:00(L.O 15:30)

定休日:

火曜日

一人当たりの予算:

¥1,000〜¥2,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
もっちー

もっちー

公認ライター

2024年春に千葉から移住してきた、柴犬大好きのんびりアウトドア系女子。海外を飛び回る生活から一転、糸島に腰を据え憧れだった農ある暮らしを実践中。庭付きの平屋でニワトリとヤギを飼うのが夢。 糸島の自然、食と農の多様さに惹かれた一人として、その魅力を自分ならではの視点でお伝えしていけたらなと思います!