こだわりのいっぴんvol.3|不思議な魅力に惹き込まれる、アンティ―クビーズの世界

こだわりのいっぴんvol.3|不思議な魅力に惹き込まれる、アンティ―クビーズの世界

こだわりのいっぴん

WRITTEN BY
中山 さおり
中山 さおり
  1. こだわりのいっぴんvol.3|不思議な魅力に惹き込まれる、アンティ―クビーズの世界
    #3

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    こだわりのいっぴんvol.3|不思議な魅力に惹き込まれる、アンティ―クビーズの世界

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糸島で活動する個性豊かな作家たちを紹介する、連載企画「こだわりのいっぴん」。
作品のなかでも特にこだわりが詰まった「逸品」を教えてもらいます。

第3回目は、アンティークビーズを販売・制作する「SHANTI(シャンティ)」の迫田 雅人(さこだ まさと)さん。
なかなか触れる機会のないアンティ―クビーズの歴史や魅力についても語ってもらいました。

vol.3 SHANTI 迫田 雅人さん

迫田 雅人(さこだ まさと)さん

今回紹介した作家

迫田 雅人(さこだ まさと)さん

1960年、鹿児島県出身。
サラリーマンとして働いた後、1983年に仕事を辞めアジアへ旅に出る。
妻のバレリーさんとは旅先のタイで出会い、結婚。
世界を歩く中でアンティ―クビーズの魅力を知り、帰国後、種子島で「SHANTI」をオープン。
2017年、糸島に移住し現在の場所で商売を始める。

1960年、鹿児島県出身。
サラリーマンとして働いた後、1983年に仕事を辞めアジアへ旅に出る。
妻のバレリーさんとは旅先のタイで出会い、結婚。
世界を歩く中でアンティ―クビーズの魅力を知り、帰国後、種子島で「SHANTI」をオープン。
2017年、糸島に移住し現在の場所で商売を始める。

糸島・志摩桜井地区。ジュース屋やラーメン店など糸島観光で人気の店が集まるエリアに、少し隠れるようにして佇んでいるのが、迫田さんのお店「SHANTI」です。

緑に誘われるように砂利道を奥に進んでいくと、古民家を改装した店舗が現れます。

もともと種子島で30年近く開かれていたこのお店。移転という形で糸島にオープンしたのは、5年前の2017年のことです。

鹿児島県出身の迫田さんは、大学卒業後、一度はサラリーマンとして働いたものの「世界を見てみたい」という強い思いから2年ほどで退社。バックパッカーとなってアジアに旅立ちました。

これまで訪れた国は30か国以上に上ります。

さまざまな土地で暮らし、人と交わり、現地のものに触れる生活を続けるなかで出会ったのがアンティークビーズでした。

アンティ―クビーズは、過去に装飾品やお金の代わりとして数百年以上前に作られたガラス製のビーズの総称。迫田さんが特に影響を受けたのは、ジャワ玉という12世紀のガラス玉で、ガラスの中に緻密な細工が施されています。

「小さな玉の中に模様をデザインしていく、その技術の高さに魅了されました。長い間多くの人の手を渡りながら現代に残っているアンティークビーズには、人を惹きつける魔力があるんですよ。」

イタリアにインドネシア、タイ、エジプト…。

店内には、古くて3500年前に作られたものから、最近のものでも300年前に作られたものまで、迫田さんが世界中で手に入れた貴重なビーズばかりが並びます。中には博物館クラスのものも少なくありません。

そのものが珍しいアンティ―クビーズですが、2000年ほどの長い間を土の中で過ごしたビーズは、ガラスがゆっくりと結晶化し神秘的な輝きを放つようになります。

結晶化したビーズはさらに価値が高く、迫田さんいわく国内でも置いている場所は少ないと言います。

お店では、アンティ―クビーズを使ったネックレスやブレスレットなどの販売に加え、お客さんに好きなビーズを選んでもらい、イメージに沿ってアクセサリーを制作するオーダーメイドも実施。

1万円を超える商品が多くありますが、変形パールなどを使ったシンプルなものであれば数千円からオーダー可能とのこと。

純銀を使ったアクセサリーもあり、水に濡れても問題ないことからサーファー人気が高まっているそうです。

 

アンティ―クビーズを愛してやまない迫田さんの「こだわりのいっぴん」は、「エッジドカーネリアン」という種類のビーズを使ったネックレス。

●ネックレス 850,000円(税込)

白いビーズが連なっているのが、いっぴんのネックレス。まずは価格に驚いてしまいますが、それもそのはず。

迫田さんによると、エッジドカーネリアンはメソポタミア文明やインダス文明など過去に3回、違った文明の場所で全く同じ技術で作られたそう。

本来はオレンジ色のガラスに樹液で白い模様が描かれたものですが、ネックレスには、土の中で長く過ごし白く変色したものだけを使っています。

変色したものは希少なため、パーツを集めて形になるまで10年の月日を費やしました。

詳しい作り方が分かっていないというミステリアスな部分も、このビーズの魅力の1つ。

あまりにも壮大なストーリーに驚きながら、一体どれだけの人の手に渡ってきたのか想像を膨らませることしかできません。

「ビーズは場所や時代によってデザインが違います。それぞれの美しさを最大限にいかしながら、同じデザインのものは絶対に作らない。これが僕のポリシーです。」

 

迫田さんがアンティ―クビーズ以上に愛しているのが、フランス出身の妻・バレリーさん。

同じ敷地内には、バレリーさんが営むアジアン雑貨を販売するお店もあり、こちらもとてもかわいらしい商品ばかりでした。SHANTIを訪れた際には、ぜひ雑貨店も覗いてみてください。

「アンティ―クビーズはまだまだ知られていない世界です。まずはお店に来てもらい、興味を持ってもらえたらうれしいな。博物館でもここまで揃っている所はないと思います。」

歴史とロマンが詰まったアンティークビーズ。そしてその魅力を存分に引き出し、圧倒的な存在感を放つアクセサリーを作り上げる迫田さん。

SHANTIは、きっとあなたの新しい好奇心の扉を開いてくれるはずです。

INFORMATION

店名:

SHANTI

住所:

福岡県糸島市志摩桜井5448-2

電話番号:

092-332-9218

営業時間:

11:00~日没まで

定休日:

[4月~10月]水曜日
[11月~3月]火曜日・木曜日

一人当たりの予算:

¥3,000~

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。