福井神楽の伝統を見護る、縁結びの神社「白山神社」

福井神楽の伝統を見護る、縁結びの神社「白山神社」

二丈福井地区にある、縁結びの神様を祀る神社「白山神社(はくさんじんじゃ)」。

白山神社では、「福井神楽」と呼ばれる神楽が奉納され、5月には全演目が演じられます。
今回はその福井神楽保存会の方にお話を聞き、実際にいくつかの演目を見てきました!

神楽を見たことがない方も、見に行ってみたくなることまちがいなしです♪

地域の子どもたちとともに福井神楽を受け継いでいく神社「白山(はくさん)神社」

アクセス

白山神社(はくさんじんじゃ)」は二丈福井地区にあり、JR福吉駅から徒歩20分、JR大入駅からは徒歩25分ほどかかります。

「福ふくの里」さんから白山神社へ行くまでの道のりのあいだに、神社の駐車場が点々と存在しているので、車で行かれることをおすすめします!

 

どんな神様がいる?

「白山神社」と名の付く神社は全国に約2,700社あり、総本山は石川県にあります。

今回取材させていただいた白山神社さんも、そのひとつ。

縁結びの神様として信仰が篤い「菊理姫命(くくりひめのみこと)」と「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」、「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」の三社がお祀りされています。

伊弉諾尊と伊弉冉尊は夫婦の神様で、この夫婦のあいだにはたくさんの神様が生まれることとなります。

そんな伊弉諾尊と伊弉冉尊ですが、ある日夫婦喧嘩をします。それを仲裁したのが、まさに菊理姫命でした。

「もし菊理姫命がいなかったら、その後夫婦の間に生まれるはずの神々も生まれなかったかもしれない…。」

そう考えると、菊理姫命が縁結びの神様として篤く信仰されるのも、自然なことのように感じますね。

 

神社の歴史

白山神社の鎮座起源は不詳ですが、元禄8年の棟札に「保延七年(1141年)辛酉年より五百五十五年」とあったとの記録があり、また現在の神殿は安政4年(1857年)に建立されたものだそう。

もし元禄8年の記録が正しければ、とても歴史の古い神社ということになりますね…!

 

白山神社の誇り、福井神楽

さて、ここまで白山神社の神様や歴史についてご紹介してきましたが、白山神社ではあるビッグイベントが行われるのをご存知でしょうか。

そのイベントとはまさに、「福井神楽」の奉納です。

「福井神楽」とは、毎年5月の第2日曜日に奉納される神楽で、その演目は全部で圧巻の24演目

こうして全演目を奉納するのは5月だけだそうで、すべて舞うのになんと4時間ほどかかるという長丁場…!それでもこの伝統ある福井神楽を見に、市外からも人が訪れます。

私たちが訪問したときには、幅広い年齢層の方が見に来られていました!

また、これだけの規模感や歴史をもつ神楽は珍しいのか、各地から研究者の方々が来られることもあるのだとか。

今では希少になってしまった日本の古き良き文化が、ここに受け継がれているのですね。

 

福井神楽ってどんな神楽?

福井神楽の起源はこれまたはっきりとはわかっていないようですが、江戸時代末期までさかのぼる可能性もありそうとのこと。

無病息災や五穀豊穣、疫病退散などを祈って舞を奉納します。

福井神楽は2部構成になっており、全体を通して「ストーリー」があります。

前半の10幕までの舞は、人の生き方をテーマにしており、「人として正しく生きるためにはこうあるべき」といったことを表現。本来はこの間に観客が飲食をすることも禁じられていました。

後半の11幕以降の舞は、娯楽として舞われ、観客の飲食も許可されています。この飲食の可否については台本にも記載があるのだとか。神楽へのこだわりが伝わりますね。

また、福井神楽の大きな魅力のひとつは、音楽であると私は感じました。

普段聞くことのない、日本らしさ満載の笛の音色に心が落ち着き、癒されます。

 

神楽を継承していくために

福井神楽の課題はまさに「後継者不足」。

歴史ある神楽を保存していくために、福井神楽保存会が今からちょうど50年前に発足しました。

保存会には35人の神楽師が所属しており、そのうちの11人は発足当初から所属する大ベテラン。後継者を育てていくために、さまざまな活動をしておられます。

そのひとつが、小学校の総合学習で神楽を教えることです。

授業の一環として小学生に神楽を教え、その中で興味をもった生徒が本格的に教わっていき、最終的に神楽師の仲間入りをします。

今回の神楽にも、高校生や大学生の神楽師の方が参加されていました!

自分と同じ年代の方々が地域のために頑張っている姿に、私も感動。

こうして地域の子どもたちが地元の伝統行事について知り、実際にその担い手の1人になっていくのは、とても素晴らしいことですよね。

 

まとめ

今回は二丈福井地区にある「白山神社」と、そこで行われる伝統行事「福井神楽」についてご紹介しました。

糸島に住んでいる方もそうでない方も、ぜひ圧巻の福井神楽を、生で見てみてはいかがでしょうか。

INFORMATION

店名:

白山神社

住所:

福岡県糸島市二丈福井4909

電話番号:

092-326-5916

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
ふみまる

ふみまる

学生ライター

学生編集部 編集長賞 2023

学生編集部 編集長賞 2023

2023年に学生編集部にて、編集長を勤めたライターに贈られる賞です。

福岡で一人暮らしを始めた大学生。糸島の魅力を知りたくて、現在は九州大学で食をとおして糸島の方々と交流するプロジェクトに参加。趣味はK-pop、観葉植物を愛でること。韓国語と英語を地道に勉強中。面白そうだと思ったらすぐやってみる派。でもだらだら過ごすことも好き。