【糸島・大門】清涼な気に満ち、たくましい狛犬が鎮座する「染井神社」には伝説がある!
最近、「九星気学」というものを学んでいるのですが、それによるとある日の筆者の吉方位(良いエネルギーが満ちている方位)は東でした。
「東か。何かあったかな」と思いながら地図を開くと、筆者の家から東の方には、高祖山という山があり、その付近にいくつかの神社や城跡があることが判明。
そこで今回は、それらの中のひとつである「染井神社」および、伝説があるとされる「染井の井戸」を訪れることにしました。
静かで清々しい山中にあり、境内にたくましい狛犬が鎮座、神功皇后にまつわる伝説もあるという「染井(そめい)神社」
アクセス
「染井(そめい)神社」は、糸島南東部にある高祖山(たかすやま)の麓にあります。
付近には筑前高校があり、最寄り駅はJR筑肥線の周船寺駅。
周船寺駅から自転車で約15分、歩いて約50分のところにあります。神社付近に駐車場が見当たらないので、車での訪問はオススメできません。
染井神社のある場所が「糸島市大門」というので、「芥屋の大門」を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、染井神社は糸島南東部、芥屋の大門は糸島北西部にあり、方角的には真逆になります。
しかし、古来両者に何らかの関係があった可能性は大いにあるでしょう。
清涼な空気
福岡県道56号線を南に進んでいくと、染井という交差点があります。
そこの交差点を東に折れ、しばらく進んでいると、下の写真のような道に辿り着きました。
少し薄暗いですが、地図によると神社はこの先。直進しましょう。
少し進むと、やや道が開けてきました。日の光も程よく入ってきており、心地よいですね。
辺りは静かで、清涼な空気が満ち満ちています。
このような石橋もあります。古風で素敵ですね。
たくましい狛犬
それでは、神社の鳥居をくぐっていきましょう。先ほどの場所から、石段を何十段か上っていくことになります。
木々がまっすぐに伸びていて、思わず下から見上げてしまいました。
こちらが本殿です。昼前の日の光を受けて、屋根などは特にまばゆく輝いて見えます。
こちらの木もまた、生命力がみなぎっているように感じました。見渡したところ、染井神社にある木は全体的に細身で高さのあるものが多いようです。
いよいよお楽しみ、狛犬とのご対面。
染井神社の狛犬はやけにたくましいですね…! これまで見たどの狛犬よりもがっしりしていて、力強いなと感じました。
狛犬には、犬に似たもの、獅子に似たものなど様々なものがあるようですが、今回は明らかに獅子の方でしょう。
思わず見惚れてしまいました。
本殿の中は、こんな感じになっています。
本殿裏の謎
大抵の神社では、本殿の裏側にも何かがあります。
今回の染井神社もまた、何かがありました。
こちらの写真ですが、何だと思いますか? 「鎧掛松」と石に刻んでありますが、当初筆者には何のことだかわかりませんでした。
「松? たしかに松はあるけれど…?」
この答えは、後に明らかになります。気になる方はこの記事の終わりの方にある「染井の井戸」という章を読んでみてください。
それにしても、緑が豊かで心が落ち着きますね~。街にある神社に比べて、山にある神社は特に緑がいっぱいあるので、筆者は大好きです。
本殿のある広場の中ほどには、1本の松が植えられていました。周りの木に比べてかなり小さいですが、後から植えられたのでしょうか?
奥の道へ
染井神社の本殿のそばは、奥へとつながる道がありました。
まだ何かあるかもしれないので、とにかく行ってみましょう。
とくに建造物のようなものはありませんが、日差しを受けてポカポカと暖かい山道を行けば、ただそれだけで心は満たされます。
そのまま歩いて行くと、最初に通った場所に戻ってきました。鳥居をくぐる前の、古風な石橋などがある場所です。
画面中央部にチラリと筆者の自転車も見えます。
古風な石橋のある、最初の広場には、他にもお堂がありました。せっかくなのでこちらもお参りしておきましょう。
それではここから、「染井の井戸」と呼ばれる伝説のスポットに向かっていきます。
染井の井戸
染井の井戸は、染井神社から程近い場所にありますが、いったん染井の交差点まで戻ってそこから北上し、最初に行き当たる十字路で東に進む形になります。
地図を見ると、山づたいに行けそうにも見えますが、実際に道なき道を進んでみたところ、途中で断崖絶壁に辿り着き、行き止まりとなってしまいました。
崖下を眺めながら空しく引き返し、「やはり地図にある道にそって進むのが確実だな」と痛感しました。
さて、気を取り直して正しい道を進むと、ものの数分で目的地に到着。
染井の井戸の前にも鳥居がありました。日の光の当たり方が絶妙で、鳥居の左上部やその付近の葉っぱなどが神々しく見えます。
人気も絶えてなかったので、「ここは人界か、天界か」としばし呆然としてしまいました。
こちらが、染井の井戸。
染井の井戸には、伝説があるとのこと。井戸のそばに情報板があり詳しく書かれているので、興味のある方はぜひ実際に訪れて読んでみてください。
まとめると、以下のようになります。
九州地方のクマソと戦うため、神功皇后が怡土の山麓に本陣を置いていた。しかし戦いのさなか皇后の夫である仲哀天皇は敵の矢に当たって亡くなり、兵士たちは悲しみと戦いの旅への疲労から、大いに士気が下がってしまった。
神功皇后は自身と兵士たちの士気を奮い立たせるため、一つの奇蹟を起こす。
亡くなった仲哀天皇の秘蔵の鎧を手に取り、「昨夜夢の中でこのようなお告げがあった。この鎧を泉の中に沈めて赤く染まれば、この戦いは必勝である。染まらなければ望みがないから早々に引き上げよとのお告げだ。」と言って泉に白生地の鎧を沈めると、果たして赤く染まった。
皇后も兵士たちも我を忘れて叫び、士気は大いに振るった。
このとき赤く染まった鎧を近くの松の枝にかけて干したのだが、その松がやがて見事な枝ぶりの巨樹となり、付近の染井神社の境内に生存していたという。近年この松は枯死してしまったので、その幹株が染井神社に保存されている。
「染井の井戸」に関する伝説は、だいたい以上のようになります。ここで先ほど染井神社でわからなかった「鎧掛松はどこにある?」という謎は解けました。
枯死してしまったので、その幹株を保存しているということは、おそらく「鎧掛松」の石塚の背後に安置されていた木がそれでしょう。
さらに、枯死してしまった松の木の代わりに、新しく別の松の木を植えたのかもしれません。もしそうだとすれば、染井神社の境内で1本だけ明らかに若い木が植わっていたことにも納得がいきます。
おわりに
今回は高祖山の麓にある「染井神社」と、神功皇后にまつわる伝説が残されている「染井の井戸」をご紹介しました。
神社も井戸も、とても静かで清涼な気に充ちており、心が洗われていく感覚がありました。
ぜひ1度、訪れてみてください。
また、今回訪れた場所の近くには、ほかにも高祖山や高須神社、怡土城跡など様々な名所旧跡があります。
いつかそれらの場所も訪れ、皆さんにご紹介したいと思いますので、お楽しみに!
INFORMATION
店名:
染井(そめい)神社
住所:
福岡県糸島市大門672
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。