すべて手作り!糸島にある木のおもちゃ屋さん「おれんじ村」

すべて手作り!糸島にある木のおもちゃ屋さん「おれんじ村」

みなさんは子供のころ何をして遊んでいましたか?

多くの方が一度は遊んだことがあるであろう、木のおもちゃたちに出会える場所へ行ってきました。

木のぬくもりに触れ、懐かしい気持ちでいっぱいです。そんな空間を作る店主のインタビューをどうぞ!

40年続く糸島の木のおもちゃ屋さん「おれんじ村」

すべて手作り!木のぬくもりを感じるおもちゃたち

今回ご紹介するのは、昭和バス・西之浦線「畑中」から徒歩1分のところに店を構える「おれんじ村」さん。

ジブリ映画に出てきそうな、木に覆われた階段をのぼると、こじんまりとしたかわいいお店があります。

可愛い雰囲気につられてさっそく中へ!

中に入ると、壁一面に手作りのおもちゃたちがぎっしり並んでいました。輪ゴム銃、ガトリング砲やサルの綱渡り、木の魚釣りなどなど、工夫が凝らされた作品に思わず夢中に!

特に6連発ピストルには、私も子供心がくすぐられてついつい遊んでしまいました。(笑)

お店は2023年で40周年を迎えるそうですが、まだまだ試行錯誤しているおもちゃも多いのだそう。

このビー玉転がしも試作を繰り返して、どのコースを通ってもうまくゴールできるような仕掛けになっています。

今回はそんな「おれんじ村」さんの店主である、松田伸一さんにお話をうかがいました。

松田 伸一さん

今回インタビューに答えてくださった方

松田 伸一さん

昭和28年、博多区に生まれる。
小学5年生の時に木の6連発ピストルを2丁作る。
30歳で脱サラし、福岡市西区の西公園に木のおもちゃ屋さんを開業。
2003年には、TVチャンピオン「木のおもちゃ選手権」に出場し、優勝。
2005年に阿蘇フォーラムスクールで木のカラクリ工房を始める。
2012年現在の場所に店舗を移転し、2023年で開業40周年を迎える。

昭和28年、博多区に生まれる。
小学5年生の時に木の6連発ピストルを2丁作る。
30歳で脱サラし、福岡市西区の西公園に木のおもちゃ屋さんを開業。
2003年には、TVチャンピオン「木のおもちゃ選手権」に出場し、優勝。
2005年に阿蘇フォーラムスクールで木のカラクリ工房を始める。
2012年現在の場所に店舗を移転し、2023年で開業40周年を迎える。

 

30歳で脱サラしておもちゃ屋さんを開業

——どうして木のおもちゃ屋さんを開業されたのですか?

何か作る仕事がしたくて、30歳で会社を辞めて今のお店を始めました。小さいころからおもちゃをよく作っていて、小学生の頃なんかには、連発銃を作っていましたね。

人には生き方が2つあると思っていて、好きなことをやって何とか食べていこうとするタイプと、儲かることをしようというタイプがあるんです。

——松田さんは好きなことをするタイプですね…?

そうです。おもちゃだけで食べていくというのは大変ですけど、もう自分はこの道でやる、という風に決めたからそれでやっていくしかないと思っていました。

ただ、木を使ったお店をやるといっても家具とかを作るわけにはいかなかったんです。家具というのは、材料費もかかりますし時間もかかる。一寸の板を1年もかけて乾かすんですよ。これではどうも回転が悪い、ということでおもちゃを作り始めました。

——いつからおもちゃを作っていたのですか?

木のおもちゃ自体はもう3つの頃からつくっていますよ。サラリーマンの頃にはボトルシップなんかも作っていました。

やっぱりプロとアマで違うのは、ものを作る精度よりも作るスピードですね。同じおもちゃを作るにしても、時間がかかっているとしようがない。2,000円のおもちゃを2時間かけて作っていたら、時給1,000円としても材料費の分が賄えないんです。

 

2003年に「木のおもちゃ選手権」で優勝

——2003年にはTVチャンピオンで優勝されたと聞きました。

第3回木のおもちゃ選手権に出場しました。この大会には全国のおもちゃ職人が集まってきて、その腕を勝負するんです。

そして、できたものをオークションで競って優勝を決めるんです。当時の私の作品は10万円ほどで落札されました。

——どのおもちゃで勝負なさったのですか?

番組でテーマが与えられて、そのテーマに沿って東京の会場その場で作るんですよ。

私の時は、ボックス、赤ちゃんの押し車、それからカラクリの貯金箱。カラクリの貯金箱には仕掛けを20個ほど入れたんですけど、テレビの尺の都合で全部は紹介できませんでしたね。

 

つくる遊びと壊す遊び

——木のおもちゃの良さはなんですか?

子どもが遊ぶうえで大事なのは、壊すことなんです。積み木でもなんでも一生涯そのままなんてものはないでしょう?

それが今のおもちゃは壊れたら新しいものを買った方が安くつく。ところが木のおもちゃだと、壊したならば直せばいい、となりますよね。

——たしかに。

作る遊びと壊す遊びというのは同時進行だと思っていて、壊すことでわかることがありますよね。そこが大事なところで、木のおもちゃだと壊したら修理するという遊びができるんです。

1回壊さないとその力加減が分からないし、逆に言うと1回壊すと次から大事に扱うようになります。そこが木のおもちゃの良さですね。

 

体験しながら遊ぶことが大事

——あちらのパズルもご自身で描かれたんですか?

そうです。こういうパズルなんかは普通の絵とは塗り方が違う。普通の絵は外側から内側に色を塗っていくんですけど、これは内側から外側に塗っていくんです。

——どうしてですか?

外から内に塗ると絵具がふちに垂れてしまうんですよね。だから内から外に塗る。

こういうことも、やっぱり自分で体験しないとわからないでしょう。今の子供達にはもっと自分で体験しながら遊んでほしいですね。

普通のデザイナーと私のような木工デザイナーとでは根本的にデザインの仕方が違うんですよ。木工デザインというのは木の木目を読んで作らないといけないわけです。1枚の板からパズルを作るときも、木目に合わせてデザインをしています。

——たしかに、ひとえにデザインといってもいろいろありますよね。

そうですね。パズルにしても模型にしても動物や車の向きが大事。多くの人は右利きですから、子供が持った時に顔が見えるように左向きに作るんです。

それから、デザインするときに作り込みすぎないようにすることも意識しています。大人の知識で子供の想像力を奪っちゃいけない。おもちゃを作るうえでは”省く”ということが大切ですね。

 

個性あふれる「おれんじ村」さんへぜひ!

今回お店を訪れて感じたのは、松田さんのおもちゃへの愛の強さです。お店においてあるひとつひとつのおもちゃにそれぞれ思いが込められていて、知育玩具としてだけではない不思議な魅力を感じました。

子どもから大人まで楽しめる「おれんじ村」さんへぜひお越しください!

INFORMATION

店名:

おれんじ村

住所:

福岡県福岡市西区宮浦1914

電話番号:

092-809-1355

営業時間:

11:00~17:00

定休日:

火、水、木曜日

一人当たりの予算:

¥1,000~¥2,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
しゅー

しゅー

学生ライター

滋賀県から糸島にやってきた大学生。関西弁で、人としゃべることが好き。趣味はフットサル、邦ロックを聞くこと。好きなバンドはHump Back、ヤングスキニー、TETORA。田舎育ちからか、天神博多より糸島で遊ぶほうが楽しい。meets糸島を通じて、糸島の魅力を発信していきます!