広大な敷地の中に、たくさんのヤギたちが放牧されている糸島市志摩小金丸の「大島農園 糸島やぎ牧場」さん。
オーナーの大島さんに、やぎ牧場やヤギミルクの魅力について聞きました。
軽妙かつ熱のこもった口調にぐんぐん引き込まれ、気づけば私もすっかりヤギミルクのファンに。
売店で購入できるヤギミルクたっぷりのプリンもオススメです！
目次
ヤギミルクの味に魅了された大島さん。みんなにこの味を知ってもらいたい
「大島農園 糸島やぎ牧場」さんの概要はこちらからご覧ください。
「大島農園 糸島やぎ牧場」さんのオーナー・大島さん
広大な敷地の中に、のんびりとヤギが放牧されている「大島農園 糸島やぎ牧場」さん。
ベンチに座ってヤギを眺めていると、軽トラで颯爽と現れたのが、オーナーの大島さんです。
「ちょっと待っとってね」と私に笑いかけると、「おーい！あんたたち、元気にしとるね」。そうヤギたちに声をかけて回ります。
ええ、こんなにいたの？と思うほど、あちこちからヤギたちが集まって、うれしそうに大島さんに付いて回っていました。
やぎ牧場設立のきっかけ
大島農園やぎ牧場ができたのは、2014年ごろ。
どういう経緯でここにできたのか問うと、「それがねえ、ここは偶然出会った土地なんですよ」大島さんがにこにこと話し出しました。
熊本出身の大島さんは、10代で博多に出て飲食業に従事。1950年代、博多で居酒屋を創業し、多忙な日々を過ごします。その後、努力のかいあってお店は有名店へと成長しました。
事業継承した後はゆっくり暮らそうと考えていた大島さんの脳裏にふと浮かんだのが、旅先で目にした風景でした。それは、広い敷地に放し飼いされたヤギが、のんびりと暮らす原風景。
ちょうどその頃、大島さんは自然に囲まれた環境で農業をしながらまた違う事業を営むことを考えており、土地探しの際に出会ったのが今の場所だったといいます。
扇型にぱぁーっと広がった土地や美しい山模様を見た瞬間「ここにしよう」と心を決め、竹やぶだった土地を少しずつ切り開いていったそう。
元々動物が好きだった大島さんは、4頭のヤギを飼い始めます。
そこへふらりと立ち寄った地元の人の「懐かしかねぇ。自分は小さい頃、ヤギの乳を飲んで育ったんよ」という言葉が、大島さんの人生を変えました。
「自分だけでヤギと遊ぼうと思ってたんやけどねえ、それならその懐かしいヤギのミルクを飲ませてやりたいと思ったんよね」。からりと笑いながらそう話す大島さん。
ヤギミルクの魅力にどっぷり。プリンなどの開発へ
ヤギミルクの味を研究するにつれ、大島さんはすっかりその魅力に取り憑かれ、プリンやチーズの商品開発を始めました。
全く未知の分野だったこともあり、形になるまでには数年かかったと言います。プロの職人に助言をもらいつつ試行錯誤し、作業工程やタイミング、温度などを少しずつ変えて何百回も試作。やっと納得のいく製品が完成しました。
「ヤギのミルクはね、ほんと独特の持ち味があるんよ。食感も喉越しも牛乳とは全く別だし、栄養価も高い。開発は本当に大変だったけど、もうね、とにかくうまいっちゃもん！みんなに知ってもらいたかったと。」
聞き手の心を鷲掴みにするような熱量で、大島さんが語ります。話を聞いているだけで、私もすっかりヤギミルクの魅力に心を奪われてしまいました。
ヤギの楽園
今回は特別に、ミルクを出すヤギの飼育スペースに入らせていただきました。
※通常は立ち入り禁止エリアです。
小道を通って山の中に散歩に向かうヤギたち。
心地よい静けさの中で、のんびりと草を食んだり、大島さんの周りでくつろいだり。ストレスのない環境で伸び伸びと暮らしているからこそ、おいしいミルクがとれるのでしょう。
ヤギたちの餌は、牧場に生える雑草やカシの木、ドングリの葉っぱなど、自然の中にあるもの。
化学肥料は、ミルクの味が変わるため、極力与えないそうです。
「この葉っぱは甘みが強いよ」と教えてくれる大島さんに、なぜ味を知っているのか聞いてみると、なんと全て「試食」しているのだそう。
「ヤギから教えてもらわんないかんですもん。おいしいものを、ヤギはよーう知っとりますよ」。
大島さんのヤギへの愛情深さに驚きました。
それぞれの人の心の中にある原風景を体験してほしい
この牧場は、「趣味の延長みたいなものだ」と大島さんは笑って話してくれました。
「のんびりヤギを見てくつろいだりね、昔を思い出して、ああ懐かしかねえ、楽しかねえ、そう思ってもらえるだけでもいい。それぞれの人の心の中にある原風景を実体験してもらえる場所として、これからも頑張っていきたいですね。」
口の中を風が駆け抜けるような「やぎミルクのプリン」
ヤギミルクを使用した商品は、敷地内の売店で購入できます。門構えもとても素敵。
今回は、「やぎミルクのプリン・はちみつ 760円（税込）」をいただきました。
まろやかなプリンを口に運ぶと、舌から喉の奥にすうっと爽やかな香りと味が抜けていきました。
まるで口の中に風が起きるような感覚で、プリンを食べてるのに口の中がさっぱりするような不思議な後味。
大島さんの思いを感じながら、ぜひ一度ご賞味ください。
空になったカップにはジュースを入れたり、一輪挿しにしたりして、食べ終わった後にも楽しめますよ♪
● 教えて！あなたの糸島LIFE ●
〜大島さん〜
糸島はなんだか空気が違ってて、気分がものすごく良くなるんです。
胸のつかえがスッとしてね、気持ちがほおーーーっとする、気持ちのよか場所。
糸島で仕事してる時間が本当に楽しいですよ。
INFORMATION
店名：
大島農園 糸島やぎ牧場
住所：
福岡県糸島市志摩小金丸2711-4
電話番号：
092-327-3311
営業時間：
11:30〜16:30
定休日：
不定休
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。
