JR筑肥線の美咲が丘駅から徒歩約6分のところにある「荻浦(おぎのうら)神社」。
小さな神社だと甘く見ていましたが、実際に訪れてみると...落雷に遭いながら力強く生き抜いてきたご神木や、奥の公園に今も残る6世紀の古墳など、注目すべきところがたくさんありました。
それらの見どころを1つひとつ、順を追ってご紹介していきます!
目次
歴史を今に伝えるご神木や古墳。本殿に参拝するだけが神社ではないと教えてくれる「荻浦(おぎのうら)神社」
アクセス
荻浦(おぎのうら)神社は、JR筑肥線の美咲が丘駅から歩いて約6分のところにあります。
神社のある土地は周囲の道路よりも高くなっており、入り口には中々オシャレな石碑があります。
この石碑を見ると、なぜか「梅ヶ枝餅」が頭に浮かんできて、お腹が鳴りました。
神社入り口の様子
神社は周囲よりも少し高いところにあるので、参拝するために階段を上っていきます。
少し階段を上ったところに鳥居があります。
本殿は、まだ先にあるようです。
大きいですね~!神社にある木はエネルギッシュなものが多いので、見上げているだけでパワーを貰える気がします。
筆者はこちらの一本道の景色が気に入りました。きっと、季節ごとに違った味わいを楽しめるでしょう。
このときの景色は、いかにも夏という感じですね。
本殿が見えてきました。上っていきましょう!
境内の様子
境内は加布里天満宮などに比べると、小ぢんまりとした感じになっています。
平日の午前中に筆者が訪れたときには、誰にも出会いませんでした。
本殿には「老松天神社」と書かれています。
同じ名前の神社が、糸島にはいくつかありますね。
右から左に書かれていることや、「神社」の字体から、古くからある神社なのかなと思いました。
狛犬はおそらく「唐獅子型狛犬」だと思われますが、どこか独特の雰囲気がありますね。
ご神木「イチイガシ」
境内には藤棚がありました。暑い夏には、こういうところで涼みたくなりますね。
荻浦神社にある木はどれも大きく、まるで山のような景観でした。
その中でも特に「ご神木」として祀られているのが、こちらの木。
イチイガシといって、ブナ科の常緑喬木(じょうりょくきょうりょく)なのだそう。
日の光を受けて、神々しさがアップしていますね。
ご神木の根元にあった情報板によると、樹高は13メートル50センチ、幹回りは4メートル10センチ(平成21年時点)。
情報板にはさらに、このようなことが書いてありました。
「往古、成木の途上不慮の落雷により原形を復することなく現在に至れり」
「近年衰え激しき為囲い等を設け養生の結果神威により樹勢旺盛となりし其の威容侵すべからず。」
「惟(これ)正に神木の所以(ゆえん)也」
たしかにこの姿を見るかぎり、とても「衰え激しき」木には見えませんね。
もう囲いなど不要なのではないかと思うくらい、力強く大地に立っています。
奥に何かありそう
ご神木の近くに、どこかへとつながっている道がありました。
その先にはいったい、何があるのでしょうか? 行ってみるしかありませんね!
しばらく階段を上っていくと、今度は下りになりました。
いよいよ何かが見えてきそうです。
森の散歩道のような場所を抜けると、そこには公園が広がっていました。それも、ただの公園ではなさそうです。
次の章で公園の中の様子を詳しく見ていきましょう!
はな咲公園
こちらの公園は「はな咲公園」という名前のようです。
筆者の弟が、たまに友だちと遊びに行っているので、名前だけは知っていました。
はな咲公園からは、「糸島富士」可也山がしっかり見えます。
それどころか奥まで行くと、付近の田んぼやお店、道路まで一望できました。
見晴らしの良い公園は、気分が爽快になりますね。
遊歩道もしっかり作られているので、ウォーキングにも最適です。
グラウンドもそれなりの広さがあるので、走り回ったりボール遊びをしたり、さまざまな用途に使えそうですね~!
滑り台は、かなり長かったです。ここまで長いのは、そうそう見かけませんね。
公園の中には、荻浦神社のご神木にも負けないくらい元気な木がありました。
公園内には2つの古墳がある
それから、公園内には「砂魚塚(はぜつか)1号古墳」と「坂の下5号古墳」という古墳がありました。
左が「砂魚塚1号古墳」、右が「坂の下5号古墳」になります。
「砂魚塚1号古墳」は6世紀中ごろに作られたもので、遺体を納めた石室からは400点におよぶメノウ、水晶、ガラスなどで作られた豊富な装身具が発見されたとのこと。
また、出雲にある山で産出されたとみられる碧玉の原石が発見されており、当時この地域と出雲地方の間に交流があったことを伝えています。
「坂の下5号古墳」は6世紀末に作られ、地下に築かれた石室の壁には最大5トンもある巨石が使われていたようです。…すごいですね!
石室内からは多数の土器とともに銀製の飾りを付けた馬具や大刀が出土したとのこと。
これら2基の古墳の主は「美咲が丘」一帯を治めた首長であるそうです。
なお、美咲が丘という地名は、今もこの地で使われています。
おわりに
ここまで、「荻浦神社」の入り口や境内、それから奥にある「はな咲公園」の様子をお伝えしてきました。
不慮の落雷に遭いながら力強く生き抜いてきた荻浦神社のご神木や、見晴らしのいい公園、その公園の中に今もある6世紀の古墳…。
今回訪れた荻浦神社も、いろいろと盛りだくさんでしたね!
ちなみに、現在の「美咲が丘」には住宅街が広がっています。
美咲が丘にはマンションではなく戸建てが多いです。戸建ての集まりというのは、古墳の主が生きていた6世紀ごろの集落の様子にどこか似ていますね。
何かそこに歴史のロマンを感じて、胸が熱くなりました。
INFORMATION
店名:
荻浦(おぎのうら)神社
住所:
福岡県糸島市荻浦11-144
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。