【糸島・雷山】冬には数々の雪景色を楽しめる!「雷山周回自然歩道」
糸島南部にある大きな山、雷山。
雷山の頂上の標高は955メートルもあり、糸島にある山の中では特に高い山の1つとなっています。
その雷山の中にあるのが「雷山(らいざん)周回自然歩道」という道で、とても自然豊かな場所です。今回はその中でも、雷山観音登山口駐車場という場所から雷神社までの自然歩道をご紹介します。
今回は冬に訪れたため、自然歩道には多くの雪が残っていました。冬ならではの美しい景色とともに、雷山周回自然歩道の魅力を感じていただけたら幸いです。
美しい雪景色には、危険もある…自然豊かな「雷山(らいざん)周回自然歩道」
アクセス
今回ご紹介するのは「雷山周回自然歩道」の中でも、雷山観音登山口駐車場から「雷(いかずち)神社」へと続いている道です。
雷山観音登山口駐車場までのアクセスは、西九州自動車道の前原ICから車で約25分。
駐車場には30台ほどの車が停められます。公衆トイレもあるので、自然歩道に入る前に準備を整えておくと良いでしょう。
ちなみに筆者は自転車で行ったので、前原ICから駐車場まで約1時間かかりました。
駐車場から雷山周回自然歩道を通って雷神社に向かう手段は徒歩のみとなりますが、その所要時間は約30分となっています。
以下の章では、自転車の目線で雷山の麓から雷神社手前までの道のりをご紹介していきます!
山道を上っていく
雷山の麓から雷山観音登山口駐車場へ向かう道の途中に、「不動滝」につながる分岐があります。
こちらの、「となりのトトロ」に出てきそうなバス停がある「藤坂橋駅」のそばが、その分岐点です。
雷山周回自然歩道はこの付近からスタートしているのですが、今回はそのバス停のそばを素通りし、さらに車道の上を先に進んでいくことになります。
藤坂橋駅から不動滝、そして雷山神籠石跡へとつながる道については、別記事『【糸島・飯原】待ち受ける数々の困難を乗り越え、秘境「不動滝」へ!』、『【糸島】謎に包まれた「雷山神籠石跡」で、風に吹かれて気ままに歴史散歩』でご紹介しているので、気になる方はそちらをご覧ください◎
道の端を見ると、かすかに雪が残っていますね。平地よりいくらか寒いので、冬は特に防寒着を忘れずに持って行きましょう。
山道を自転車で20分ほど上ると、車30台分くらいのスペースがある雷山観音登山口駐車場に辿り着きました。
ここから雷神社まで、1.6キロとのこと。
寒くなってきた
駐車場から少し進むと、急に薄暗くなってきました。息も真っ白です。
「なんか寒いな…ん?」
看板の根元を見ると、わずかではありますが真っ白な雪が積もっています!
しばらくすると雷山周回自然歩道の方から、大きなバックパックを背負った女性が下りてきました。
その方はしっかり防寒着を着こみ、いかにも重装備という感じでしたが、筆者がわりと軽装で自転車を押していたので、「まさか麓から上って来られたんですか!?」と驚かれました。
そのときは何も知らなかったので「そうなんですよ」と笑って別れましたが、すぐ後で彼女の驚きの理由を知ることになります。
雪山の中へ
雷山周回自然歩道の中も、道の端に雪が多く残っていました。しかしまだ道も平坦なので、筆者は特に気にせずにどんどん前進していきます。
ところが、進んでいくにつれて様子がおかしくなってきました。
奥へ行けば行くほど雪は多くなり、気温も急激に低下。まさに雪山といった感じです。
雪山に登る装備など準備していなかった筆者。しかし「とにかく行けるところまで行ってみよう」と、無謀にも自転車を押しながら雪道を前進しました。
写真を見返すだけでも寒々としてくるような、冬の景色がそこにありました。しかし真っ白な雪景色は美しくもあります。
困ったことに、奥の方になってくると路面が険しくなってきたために、この先は自転車を担いで歩かなければならなくなりました。
両手の塞がった状態で雪をかぶった石や枝に足を取られるのは、相当危険です。
ときどき「自分は今、何をしているんだろう」と呆然としながらも、ただ「雷神社を目指して進む」ということだけ考えながら足を動かしていきました。
雪が積もっているせいか、ただでさえ静かな山中が、余計にひっそりと静まり返っています。
深々と冷え込み、少しずつ手足の感覚がなくなっていくのを感じながら、朦朧とした意識のまま歩いて行きました。
「雪山で遭難したら、こんな気分になるのかな。」そんなことをふと考えました。
数々の危険と隣り合わせの状況でしたが、それはそれで、得難い体験をしたと言えるかもしれません。
なんとか到着
先の見えない状態で、震えながら歩いていた筆者でしたが、ようやく終わりが見えてきました。
日が差して辺りは次第に明るくなり、遠くには滝の流れが見えます。
石段がありました。これを上ったら、神社があるのでしょうか。
「ここが踏ん張りどころ」と筆者は力を振り絞り、自転車を持ち上げて石段を1つずつ上っていきます。
1段、2段、3段…。
「よいしょーっ!」と大声をあげて最後の1段を上ると、そこには目的地の雷神社が見えました。
「着いたぞ、着いた…どうにか乗り越えた…。」
そう思った瞬間、筆者は前に倒れ込みました。
そのまま眠ったならば違う世界に行っていたかもしれませんが、筆者の持つ「生への執着」がそれを思いとどまらせます。
次の瞬間には立ち上がると、神社の方へゆっくりと歩いて行きました。
おわりに
ここまで「雷山周回自然歩道」の一部についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
筆者の苦難をこの記事で目の当たりにした読者の方は「絶対行きたくない!」と思われたかもしれません。
しかし雪道も暖かい服、手袋、帽子などの防寒具を用意し、なおかつ直前の駐車場まで車で行くなどの方法を取れば、より安全で快適に散策することができます。
平地では普段あまり見ることのできない数々の雪景色を目にしたり、その静寂を味わったり、実際に雪に触れたりすることは、とても貴重な体験です。
ぜひ万全の装備を整えた上で、「雷山周回自然歩道」を訪れてみてください!
INFORMATION
店名:
雷山(らいざん)周回自然歩道
住所:
福岡県糸島市雷山 観音前
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。