COVER YOUTH supported by ジーユー|All Books Considered 代表 中田健太郎

COVER YOUTH supported by ジーユー|All Books Considered 代表 中田健太郎

ジーユー×meets糸島の連載企画「COVER YOUTH 」第5弾。

この企画では、糸島で活躍するZ世代の若者をゲストに迎え、季節を取り入れたジーユーファッションを紹介しています!

今回のゲストは、本屋「All Books Considered」代表 九州大学3年の中田健太郎さん。
鋭い視点や考え方が魅力的な中田さんに、ジーユーの冬のコーディネートを楽しんでいただきながら、本屋を経営する思いや今後の展望を語ってもらいました。

COVER YOUTH vol.5 中田健太郎|supported by ジーユー

中田 健太郎(なかた けんたろう)さん

今回のカバーユース

中田 健太郎(なかた けんたろう)さん

2003年生まれ、宮崎生まれ。
九州大学共創学部3年生で、文化人類学を専攻。

2021年、大学の仲間と4人で「All Books Considered」を開業。
「本とファッション」をテーマに、店舗運営やイベント主催などの活動をしている。

(「All Books Considered」Instagram
:@a.books.c)

2003年生まれ、宮崎生まれ。
九州大学共創学部3年生で、文化人類学を専攻。

2021年、大学の仲間と4人で「All Books Considered」を開業。
「本とファッション」をテーマに、店舗運営やイベント主催などの活動をしている。

(「All Books Considered」Instagram
:@a.books.c)

綺麗めだけどカジュアルな、ジーユー冬のコーディネート

糸島の中心地、前原商店街の本屋「All Books Considered」
「糸島の顔がみえる本屋さん」店内奥の階段を登った2階にある、四畳半のこぢんまりとした本屋です。

本や店主との距離が近く、新しい発見やコミュニケーションが生まれること間違いなしの「All Books Considered」店内で、取材に応じていただきました。

「普段は古着ばかり着ています。古着屋やリサイクルショップでの宝探しが好きなんです。」

そんな中田さんに着てもらった、ジーユー冬のコーディネート、テーマは「綺麗めカジュアルコーデ」
アイテム1つひとつはカジュアルながら、デニムジャケットのボタンを閉め、足下はレザーシューズで綺麗め感をプラスした、大人の綺麗めカジュアルコーディネートです。

「リサイクルショップで掘り出しものを探していて、『お、コレいいな』と思ったものがジーユーやユニクロの服だったってことはよくあります。」

大きめのショルダーバッグには、たくさんの荷物が収納可能。
常に本2冊とノートパソコンを持ち歩く中田さんにも十分な容量です!

「ジッパーやポケットまでちゃんとした作りで、オレンジ色の裏地なども省略せずサンプリングされているのがいいですね。」

本だけでなく古着や服のリメイクのイベントにも携わっている中田さんですが、今回のコーディネートは、古着好きの中田さんのお眼鏡にもかなったようです!

〈着用アイテム〉

・デニムジャケット(セットアップ可能)/3,990円(税込)

・スーパーバギーデニムスラックス+EC(丈長め79cm)/2,990円(税込)

・ヒートパデッドMA-1ブルゾン/2,990円(税込)

・ソフトコットンクルーネックT(長袖)/990円(税込)

・レザーラウンドトゥシューズ+E/4,990円(税込)

・ソフトナイロンラウンドショルダーバッグ/1,990円(税込)

※なくなり次第販売終了

 

抱えていた不安や悩み、本を通して世の中に問いかけたい

——All Books Consideredとは、どんな場所なのでしょうか?

All Books Consideredには「本」と「ファッション」の2つの軸があります。

ここに置いている本は6割くらいが新品で、今自分たちが気になる本や、世の中に問いかけたい本たちです。
尖ったものや偏ったものが置いてあるところが、一般的な書店にはない魅力だと言ってもらえます。

お店にも古着やリメイクの服を飾っていますが、3〜4ヶ月に1回くらいの頻度で本と服のイベント『文渦(ぶんか)』を開催しています。
県内の古着屋さんやZINEを作っている方々を集めて、それぞれのカルチャーを渦みたいにごちゃ混ぜにするような、文渦はそんなイベントです。
※ZINE …好きなものを自由な手法でひとつの冊子にまとめたもの

本屋ではあるのですが、できるだけ本という形に囚われないスタイルでやっていきたいと思っています。

——本とファッションとはあまり聞かない組み合わせですが、とても面白そうな活動ですね!どうしてこの活動をスタートしようと思ったのでしょうか?

僕の本屋の原体験は、高校2、3年生の頃に通っていた地元宮崎の「ポロポロ書店」との出会いです。

サブカルっぽいお店で、そのとき抱えていた不安や悩み、世の中への抵抗みたいなものを、まっすぐ受け止めてくれるような場所でした。
アナキズムの本や「どうやって働けばよいのか」について書かれた本を読んでみたり、ポップカルチャーに関する本を読んでみたり、どんどんハマっていったのを覚えています。

大学に進学して1年生の夏休み、ここの1階にある「糸島の顔がみえる本屋さん(通称:糸かお)」がオープンしました。
糸かおでは、本棚を借りて自分の買ってきた本を並べて販売できるので、僕も自分の本棚を持ってみたのですが、定価で買った本を並べるのはお金のない学生にはちょっと厳しくて…(笑)。

その後、小さな書店でも出版社から卸値で本が買えるようになり、いいタイミングでここのテナントが貸し出されたので、仲間と一緒に4人で「All Books Considered」を始めました。

ポロポロ書店で芽生えた本屋への思いを形にできるいいチャンスに恵まれましたね。

本好きばかり集めると衝突しそうだったので、服やファッション好きの仲間を誘いました。
そのうちの1人が思いのほかかなりの本好きで、これはうれしい誤算でしたね。
この四畳半の小さな部屋で本とファッションをはじめ、いろいろ混ぜられたら面白いかな、と思って運営しています。

 

本を通じていろいろな世の中の見方を知ってほしい

——こちらに置いてある本は、かつての中田さんのような悩みや抵抗心を持っている人に響くようなラインナップになっているのでしょうか?

もともとはそうだったのですが、最近僕が選んでくる本は、もっと踏み込んだ硬派なラインナップになってきています。

1番には「普通に生活していたら気づかない世の中の切り口、見方を本を通じて知ってもらいたい」という思いがあり、今並んでいる本たちを選びました。

特に人文・社会学系が持っている世界の見つめ方が面白くて、そういう本が増えてきています。
僕が文化人類学を専攻しているというのも影響していますね。

僕はノンフィクションの本やエッセイの本が多いのですが、本好きの仲間が小説好きなので、いいバランスに保てています。もちろんソフトな本も置いているので、気軽に遊びにきてください!

——その時の興味や気持ちでラインナップが変化するのは、何度も訪れたくなるような、他の本屋にない魅力ですね!

基本的には1回仕入れた本をもう1度仕入れることはありません。やっぱり、来てくれたお客さんを「あんまラインナップ変わってないな」とがっかりさせたくないので。

というのも、売り方のスタイルとして古着屋さんをイメージしています。他の本屋では目につきにくいものを選んでくることによって、古着のように「一点物」みたいな感覚を持ってもらえるよう意識しています。

——中田さんおすすめの本を1冊、紹介していただけますか?

…少し学生っぽいものを選びますね(笑)。

「就活の社会学」という本を紹介します。

ゴリゴリの社会学の学術書なので著者の気持ちは直接書かれておらず、就活にまつわる語りや分析が淡々と続きます。

ただ、隠していても「この人、就活に何か思うところがあるんだろうな」「何か伝えたいんだろうな」というのが感じられるのがとても面白いんです。

僕も大学3年生で一般的には就活をする時期ですが、就活というシステムに疑問を感じる部分はあります。大事なことを削ぎ落としているというか、あまりにも健気すぎるというか…。
そんなこともあり、よくこの本を参照しています。

就活に関わるいろんな人に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

 

糸島の「変な人」から学ぶ大切なことも多い

——福岡のカルチャーの中心は天神あたりかなと思うのですが、あえてここで開業したのには、何か糸島への思いがあるのでしょうか?

九州大学への進学で糸島に来たことと、テナントが安く借りられたことが、ここで開業した主な理由です。

もちろん糸島に愛着がないわけではありませんが、ここでいいのかはまだ悩んでいます。

ただ、面白いお店が増えてきている成長段階の前原商店街には、今後多くの人が遊びにくるようになる未来があると思っています。それを待たずして出ていくのはどうなのか、というのも感じますね。

それから、糸島には変な人が多い。(笑)

変な人たちから感じることや学べることは結構多くて、そういう意味では糸島に影響を受けていると思います。

あとは、僕自身にある逆張り精神ですかね。
メインの天神に対する、糸島のオルタナティブ感みたいなものは気に入っています。

 

服好きの人に本にも興味を持ってもらいたい

——今後の展望について聞かせてください。

お店についてはもっと大きくしたいですね。
1年後も、まだここにいるかはわかりません。

さっきは糸島で勝負する楽しさについて語りましたが、僕も大名の古着屋さんに遊びに行くのは好きだし、将来的には大名のような中心地で勝負するのも面白いかなと思っています。

本と古着のイベントをやっていて、服ばっかり買っていた人が本に興味を持ってくれると、すごく嬉しいんです。新しい世界の見方を持ってもらえたような…。

それを大名のようなファッションストリートで実現できたらと思うと、すごくワクワクします。

実は今後、仲間たちは就職や留学があるので、1人になってしまう可能性が高いのですが、それでも続けていきたいと思っています。

 

おわりに

大学3年生とは思えない落ち着きと、世の中への鋭い視点を持っている中田さん。どこか達観しているようにも見えますが、同時に学ぶことへの貪欲さも感じました。

そんな中田さんが今後どんなことを感じ、どんな本を選んでお店に並べてくれるのか、とても楽しみです!

中田さんは、自身の学んだことや感じたことをまとめた冊子も作成中とのこと。

ぜひ今後の活動にご注目ください!

〈credit〉
styling:Miri Matsuda
interview:Yuya Inatomi
photo:Takuya Murakami
location:All Books Considered