「学校って絶対に行かないといけないの?」「勉強に集中できないのは、ダメなことなの?」
あなたはそうした悩みを感じたことがありますか? あるいは、自分の周りにそういった友達がいたことはありますか?
筆者はみんながみんな、同じように生きる必要はないと思います。それは大人になってからだけの話ではなく、生まれたときから「人間は誰しも、生きたいように生きることができる」と思っています。
もしそれが叶わない社会ならば、私たちが変えていく必要があります。
今回筆者が訪れた「輝け!第1回不登校マルシェ」の様子をこれからお伝えしていくので、皆さんもぜひ色々と考えながら読んでいただけたらと思います。
学校に行くのがすべてじゃないことを知ってほしい—「輝け!第1回不登校マルシェ」
アクセス
今回のマルシェの会場である保利建設社さんは、西九州自動車道の前原ICから車で7分の場所にあります。
駐車場は車10台分くらいで、11時ごろに訪れたときにはすでに混みあっていました。
このマルシェについて
今回のマルシェは「ひといちばい敏感な子の親の会“ふわり”」代表の遠藤実都代さんと、「トーキョーコーヒー 福岡城南」の平野りかさんが主催されています。
平野さんによると「学校に行っていないお子さんや親御さんに居場所を提供するというよりは、『こんな場所があるんだよ』『学校に行く以外にこんな選択肢もあるんだよ』といった可能性をこのマルシェを通して知ってもらいたい」のだそう。
マルシェの出店者は学校に行っていない子どもやその親御さんだけではなく、子どもの引きこもりや悩みを解決するために活動されている方々や、他のマルシェで平野さんたちとご縁のできたキッチンカーの方々など、多岐にわたっていました。
学校や勉強、日常生活について悩みを抱えている人も、それを解決するべく動いている人も、また普段は「不登校」や「引きこもり」とはあまり関わりのない人も含め、みんなで「子どもも大人も過ごしやすい社会」について考えていこうという、素晴らしいマルシェだと思いました。
記事の記載方法について
今回のマルシェでは約20団体もの出店者が集まり、筆者はそのすべてのお店を取材しました。
会場では各店についてブース分けなどされていませんでしたが、ここからはわかりやすいよう「フードブース」「雑貨ブース」「不登校サポートブース」の3つに分類分けして、紹介していきたいと思います。
お店を分類していく際に「これはどちらに入るのだろう」と迷うことが多々ありましたが、個人的には、今回のマルシェは白黒ハッキリさせることよりも緩くつながることの方を大事にしていると考えているので、あくまで分類は暫定的なものであると捉えていただければと思います。
また今回は出店者が多数だったのもあってかなり文章量が多くなっていますが、どれも魅力的なお店ですし記事の最後の部分ではマルシェ取材を通して感じた筆者の思いを綴っていますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
フードブース
①mimi3(スリー)
こちらのお店ではアイスクリームやラムネを販売していました。普段はマルシェに出店したり、加布里湾や佐賀の鹿島などで営業をされているそうです。
出店情報はインスタグラムで公開しているとのこと。
こちらがアイスクリームとラムネになります。アイスクリームの味は「焦がしバター塩キャラメル」。何とも珍しい味ですね~!実食した妹によると「中に砕いたナッツが入っていて、塩キャラメルの濃厚な味がたまらなかった」とのこと。
②雲海(うんかい)
こちらのお店では焼き鳥やお弁当を販売していました。
普段はAコープなどのスーパーや志摩の四季で営業されているそうです。
「2951(福来い)弁当」というメニューが、気になりました。
③手羽先 香野阿
もはや筆者にとってはお馴染みの手羽先屋さん。営業を始めて1年くらいのお店ですが、糸島のさまざまなマルシェに出店されているので、着実に知名度が上がっていると思います。
2024年5月5日には、芥屋で「春の芥屋マルシェ in RISE UP KEYA」というマルシェを主催されていました。筆者も「歌って踊る学生ライター」としてステージイベントに出演しましたよ。
④南十字星
2024年3月3日に行われた「サクラ咲くRainbowマルシェ」にも出店されていた、このお店。
今回はフォーに加えてホットサンドも販売されていました。
今回も筆者は牛肉のフォーと鶏肉のフォーを注文。どちらも食べ応えがあって美味しかったです◎
普段は遊園地や天神、中洲で営業されているとのこと。
⑤たこやき はっちゃん
普段は野芥で営業されているというたこ焼き屋さん。マルシェオープン直後から、せっせとたこ焼きを焼いていました。
香ばしい匂いがあたりに漂い、とてもお腹が空きました…(笑)。こちらのお店も色々なマルシェに出店されているようです。
⑥喫茶 マランカラン
2024年3月3日の「サクラ咲くRainbowマルシェ」の主催をされていたこちらのお店。
店主の多田さんは、今回も素敵な笑顔で会場内を歩き回っていました。
雑貨ブース
⑦kukuruart
こちらのお店は深江でアルコールインクアートのワークショップなどをされているとのこと。
他にもハーブ講座やクラフト体験、アウトドア体験、ニホンミツバチの養蜂など「親子で森を体験する」活動を色々と行っているそうです。
⑧さくらほし
こちらのお店ではバッグやペンケースが販売されているだけでなく、自分でキーホルダーやカスタムボールペンを作ることができます。
下の写真のテーブルの上にあるビーズなどを使って、世界に1つだけのオリジナルキーホルダーやペンを作れちゃいます◎
⑨糸島多肉Lab
こちらのお店も2024年3月3日の「サクラ咲くRainbowマルシェ」に出店されていました。会場内の雰囲気を明るくしてくれる、賑やかで気さくな方たちでした。
詰め合わせをしたり、自分で寄せ植えをしたりと思う存分多肉を満喫することができます。
筆者も寄せ植えに挑戦してみました。こちらがその結果です。なかなか良い感じにできたな~と嬉しく思いました。
「糸島多肉Lab」さんの詳しい紹介については、こちらの記事をご覧ください。
⑩tsumugi
こちらのお店では編み物の作品などを販売していました。他にもいろいろなマルシェに出店されているようです。
⑪mam fleurette
こちらのお店ではフラワーアレンジの作品を販売されていました。「不登校っ子ママをお花で笑顔に」する活動をされているようです。
トーキョーコーヒーの平野さんとともに活動されているそうで、今回はそのPRも兼ねて出店されたとのことでした。
不登校サポートブース
ここにあるお店以外にも「不登校サポートブース」に含まれているお店がありましたが、ここではフードブースや雑貨ブースの章で紹介していないお店のみをご紹介していきます。
⑫あいで家
こちらのお店の名前の由来は「愛、出会い、アイデア、家」。不登校の息子さんが考えたのだそう。素敵な店名ですね♪
二丈の福吉で民家を借りて週に1回、無料のフリースクールをされており、お菓子や雑貨の収益はその運営費に回しているとのこと。
一般的なフリースクールは学費が高いそうですが、「あいで家」さんのフリースクールはあらゆる人が通えるように無料となっています。借りている民家を平日は保育園として利用し、土日はレンタルスペースとすることで少しでも運営費を抑えようと工夫されているそうです。
菓子製造の免許を取得されたらしく、今後はレンタルキッチンとして活用することも考えているそう。
⑬君のいばしょ。
こちらのお店の方は「君のいばしょ。」というフリースクールを運営されているそうで、前出の「あいで家」さんの民家で活動を行っているとのこと。
さらに、こちらのお店では別組織の「おとなとこどもの学校 テトコト」さんや遊ぶように学ぶ「The DAIGAKU」さんのステッカーも販売されていました。
販売されている1枚200円のステッカーを買うことでそれらのフリースクールの運営を応援できるとのことだったので、筆者も1枚購入することに。
購入後、さっそく取材ノートの表紙に貼ってみました。シンプルなノートが、シール1枚で芸術的で素敵なノートに早変わりしました♪
⑭トーキョーコーヒー
こちらがマルシェ主催の平野さんのお店。今回はお店としては活動のPRを目的に参加されたそうです。
平野さんによると、トーキョーコーヒーさんの付近にある「⑪mam fleurette」さん、「⑯みんなの学び館」さん、「⑱オンライン塾」さんなどは関連性が高く、「こんな生き方もあるよ」という進路や学習方法のPRをするブースになっているとのことでした。
⑮糸島市社会福祉協議会
こちらの方々は、学校や勉強、生活について悩んでいるお子さんや親御さんに寄り添う活動を行っているそうです。
今回は子ども向けに射的などのミニゲームを開催されていました。
⑯みんなの学び館
こちらのお店では子どもたちが作ったアイロンビーズなどの作品を販売していました。
他にも裁縫や料理を教えてくれるボランティアの先生たちが作られたハンドメイド作品もありました。
こちらは子どもたちが自分で作ったスマートボール。筆者も子どもの頃工作が好きだったので、同じようなものを作って遊んでいたなあ~と懐かしく思いました。
こちらの「みんなの学び館」さんは放課後アフタースクールも運営されているそうです。「NPOなので皆さんの寄付で頑張っています」とのことでした。
⑰小学生の作ったアクセサリー
こちらでは、小学生が作ったアクセサリーが販売されていました。
お値段は10円~とお手頃なので、子どもでも気軽に手に入れることができます。
お店の中にいた子どもたちも、実際にアクセサリーを身に着けていたのが良いな~と感じました。
アクセサリーを1つ1つ見ていくと「これは…!」と思うものがあったので50円で購入。
その場で財布に取り付けていると、先ほどの小学生の子どもの親御さんが「さっそくありがとうございます!いいですね~金運上がりますよ!」と声をかけてくださいました。
⑱オンライン塾
こちらでは小学校低学年向けのプログラミング教室の案内などを行っていました。写真のレゴブロックは、何らかの動きをプログラミングされていたらしく、実際に動いていました。
⑲Altcom(オルトコム)
こちらでは「目の見え方検査」と、その結果に応じたアドバイスなどを受けることができます。
まずはこちらのテントに入り、1つ目の検査を受けます。
それからこちらの機械でいくつかの検査を受け、結果が出る仕組みになっています。
代表の柴田さんによると、目の見え方が勉強に集中できるかどうかや引きこもりやすさなどに影響しているそうです。ほぐすなどして目を整えることで、これまで苦手としていたこと(字をまっすぐに書く、速く走るなど)が楽にできるようになることもあるそうです。
筆者も実際に検査を受けてお話を伺ってみました。その中で最もうれしかったのは、今まで両目あわせて0.1以下だった視力が0.4に回復していたこと。
実は筆者は最近、目のマッサージやトレーニングに力を入れていたのですが、その努力が少し実ったことがわかり、自然と笑顔になりました。
地道な努力を重ねれば、視力は回復することもあります。人間に不可能はないのです。
⑳親の会
「目の見え方検査」の会場の隣では、「親の会」が開催されていました。参加費無料、出入り自由でたくさんの大人たちが和気あいあいとお話しされている様子を見て、少し気持ちが和みました。
㉑ライブ
今回のマルシェでもライブが行われていました♪
皆さんとても良い声で、途中「とてもいい歌詞だな」と思った曲があったのですが、なんと歌い手の方(女性)が「学校に行っていなかった時の心境を初めて綴った」オリジナルソングだったそうです。
私にできることは何か
今回は「輝け!第1回不登校マルシェ」の様子をお伝えしてきました。
筆者は不登校になったことはありませんが、病気で1週間くらい休んだ後に登校する場合でさえ「何か学校行きづらいな」と感じることがあるので、もし不登校になった場合その「行きづらさ」や「生きづらさ」は何倍にも大きくなるかもしれません。
学校に行っていない子どもたちやその親御さんの居場所や相談所を作ることはもちろん、周囲の人々の理解を深められるような活動が重要であると感じました。
世の中には不登校や引きこもりだけでなく、いじめや貧困、人種差別、宗教差別などさまざまな問題があります。どれも当事者でないとその心理を完全に理解するのは難しいかもしれません。しかし、理解できないまでも手を差し伸べたり、そっと見守ったりできる、そんな社会をこれから作っていけたらいいなと強く思いました。
そのために自分がどんなことをできるのか。自分だからできることは、何なのか。それを考えていったとき、やはり自分の好きなこと、歌や踊りや文章を通して誰かの心を癒したり、笑顔になってもらったりすることなのではないかと思います。
この記事を読んでくださった皆さんもぜひ、この機会に「何かに悩んだり苦しんだりしている人びとがいる。彼らに対して私に何かできることはないだろうか」と考えてみてください。
INFORMATION
店名:
保利建設社
住所:
福岡県糸島市東1437-2
※イベント開催地
電話番号:
092-322-4779
営業時間:
[平日]8:00〜17:00
※イベントは不定期開催です
定休日:
土・日曜日
一人当たりの予算:
~¥1,000
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